ブレット・ラトナー監督の映画「
ラッシュアワー3」を観ました。
前作「
ラッシュアワー2」の3年後(2007年公開)の
米国ロサンゼルス、
リー捜査官(
ジャッキー・チェン)は
ハン大使(
ツィ・マー)の護衛として共に国際刑事法廷のシンポジウムに向かっており、その付近では交通課に左遷されていた
カーター刑事(
クリス・タッカー)が交通整理をしていた。
ハン大使はシンポジウムにおいて、
中国の国際犯罪組織
三合会のボスであり、謎に包まれていた
シャイシェンの所在を明らかにしようとしていたが、発表直前に向かいの建物から狙撃される。直ぐに
リー捜査官は狙撃犯を追い詰めるが、犯人が孤児院で共に育った
ケンジ(
真田広之)だった事に驚き、取り逃がしてしまう。
ハン大使は入院し、娘のスーヤン(チャン・ジンチュー)が看護に訪れるが、2人は暗殺者達に襲われる。事前情報を得ていたリー捜査官とカーター刑事は暗殺者の1人(M.Kentaro)を逮捕するが、フランス語しか話せない暗殺者からは「ルーズベルト通りのジャンビエーブ(ノエミ・ルノワール)」という情報しか得られなかった。国際刑事法廷のレイナード委員長(マックス・フォン・シドー)の協力を得たリー捜査官とカーター刑事は、シャイシェンに繋がるジャンビエーブを探す為にフランスのパリへ渡る。
フランスの入国審査でレヴィ警視(ロマン・ポランスキー)の嫌がらせを受けたリー捜査官とカーター刑事であったが、タクシー運転手のジョージ(イヴァン・アタル)を巻き込んで捜索を開始する。2人はケンジやジャスミン(工藤夕貴)の妨害に遭いながらも、レイナード委員長からの情報等を元にジャンビエーブを探す、といったあらすじです。
本作の存在は公開当時から知っていたものの観る機会が無く、今回、前2作を子供達(小5&小2)と一緒に観た勢いで初めて観てみました。
観た結果は、残念なものでした。このラッシュアワー・シリーズの魅力は、外国の刑事が異国で地元刑事とコンビを組んで異文化に触れて騒動を起こす、というものだと思うのですが、そんなものは本作には無く、単なるバディ映画と成ってしまっているのです。
さらに残念なのは、タッカーの貫禄です。ベテラン中国人刑事と若手米国人刑事、という組み合わせも魅力だったと思いますが、本作のカーター刑事はベテランにしか見えませんし、冒頭の交通整理係も見た目に無理がありました。
前2作を無かったものとして(無理ですが)、単体で考えれば良く出来たアクション映画だと思います。特に真田が格好良く、クライマックスでのチェンとの対決は最高です。
しかし、その真田の出演に併せて、さらに日本ウケを狙ったと思われる工藤の出演が頂けませんでした。もっとジャスミンに相応しい女優さんが居たでしょうに、あれではキャラクター自体が蛇足に感じられました。
さらなる続編の話もあるみたいですが、本作の続きなら止めた方が良いですね。本作を無かった事にして、前2作と同じ路線で作るなら何とかなりますかね、まぁ無いでしょうな。