本多猪四郎監督の映画「ゴジラ」を観ました。
公開当時(1954年)の日本が舞台。
日本領海の太平洋沖で、船舶が救難信号を出した直後に消息不明となる事件が相次ぐ。現場近くの大戸島に、事件を取材する新聞記者萩原(堺左千夫)が到着すると、事件の生存者で島の漁師政治(山本廉)が漂着し、船は巨大な生物に襲われたと話す。それを聴いた長老(高堂國典)は、島の伝説の怪物ゴジラに違いないと言うのだった。そして暴風雨が島を襲った夜、何らかの巨大生物が村を破壊してしまう。
救援要請を得て、国の調査団が尾形秀人(宝田明)のサルベージ船に乗り大戸島に到着する。そこで調査団の古生物学者山根博士(志村喬)、その娘で尾形の恋人でもある恵美子(河内桃子)、物理学者田辺博士(村上冬樹)らは、放射能を帯びた巨大生物を目撃する。山根博士はその生物をゴジラと命名した。
帰還した調査団は国会で聴聞会を開き、ゴジラはジュラ紀の恐竜の生き残りで、海底の洞窟で暮らしていたところ、水爆実験により追い出されたものではないかとの仮説を発表する。
ゴジラは大戸島を離れ海中を日本本土へ向かっており、自衛隊による爆雷攻撃が行われる。しかしゴジラは攻撃をものともせず、やがて東京に上陸し、都市を破壊していく。惨状を見かねた恵美子は、元婚約者で極秘の研究をしている科学者芹沢大助(平田昭彦)に助けを求める、といったあらすじです。
現在まで60年に渡って続くゴジラ・シリーズの記念すべき第1作です。というか、本作があったから派生品が作られ続けている、といって良いでしょう。
僕はその派生品にばかり慣れ親しんでいて、肝心の本作は未見だったのですが、観て納得の歴史的傑作です。
派生のエンタテインメント作品とは違う、真摯なパニック映画であり、人類の愚行に対する自責の念が強く伝わって来ます。
そして何より円谷英二による特撮が素晴らしい。モノクロの暗い画面も相まって、リアルで迫力があり、恐怖感漂う仕上がりです。
また、単にゴジラによる破壊を描くだけで無く、被災した人々を丹念に描くことにより、ゴジラと戦争を結びつけた演出が見事です。
派生品のせいで、ゴジラは子供のもの、といったイメージがありますが、本作は子供だけでは無く(というか子供には怖いばかりかも)、老若男女、誰もが必ず観ておくべき映画だと思います。
ところで、今回は子供達と一緒に観たのですが、観賞後に彼らがブロックで作った造形を紹介します。
左が次男(5歳)によるゴジラで、右は長男(小2)によるゴジラを倒すマシン(本作にそんなものは登場せず)です。ちなみに、マシン上部は日の丸を表しているそうです。