ケン・ラッセル監督の映画「
リストマニア」を観ました。
19世紀の
欧州を元にした架空の世界が舞台。
ピアニストのフランツ・リスト(ロジャー・ダルトリー)はダグー伯爵(ジョン・ジャスティン)の妻マリー(フィオナ・ルイス)のピアノの家庭教師を勤めていたが、マリーと不倫関係に陥っていた。リストはマリーとベッドに居るところをダグー伯爵に見付かってしまい、マリーと共にピアノに縛り付けられ、そのまま線路の上に放置されてしまう。
十数年後、大スターと成っていたリストが友人達を集めコンサート前のパーティーを開いていると、若き作曲家のリヒャルト・ワーグナー(ポール・ニコラス)が訪ねて来る。リストはワーグナーから受け取った曲を、初見ながらコンサートで変奏して披露する。コンサート会場は若い女性達で埋め尽くされており、リストは演奏しながらハンス・フォン・ビューロー(アンドリュー・レイリー)にめぼしい女性の経歴を調べさせる。その中からリストはカロリーネ侯爵夫人(サラ・ケステルマン)に狙いを定め、カロリーネ侯爵夫人はリストをロシアの居城へ誘う。
リストはマリーと駆け落ちし、コジマ(ヴェロニカ・キリガン)をはじめとする3人の子供をもうけていたが、家族を残しロシアのカロリーネ侯爵夫人を訪ねる。カロリーネ侯爵夫人はリストを誘惑し、リストと再婚しようと画策するが、残されたマリーはリストの暴露本「リストマニア」を執筆していた、といったあらすじです。
フランツ・リストの伝記映画と思いきや、その音楽はロック調(リック・ウェイクマンの編曲、作詞はダルトリー)で世界感は荒唐無稽、ホラーに成ったりSFに成ったりと、ハチャメチャなコメディ映画です。
その内容の為か、
リンゴ・スターまで出演しているにもかかわらず、本作は未だに(1975年公開)ソフト化されていません。そんな本作が今回観られたのは
スカパー!(
充実のハイビジョンチャンネル!スカパー!簡単申込)のお陰です。
スカパー!の映画チャンネルでは本作の様な未ソフト化作品も放送してくれるので、映画ファンには最高です。
ラッセルの音楽家の伝記映画といえば「
マーラー」にも荒唐無稽なシーンが登場しましたが、本作は最初から最後までエログロナンセンスのオンパレードです。それでいて、一応史実に則ってストーリーが展開するから困ったものです(
笑)
とにかく終始エロです(笑)カロリーネ侯爵夫人のお城なんて下ネタの塊で、余りの事に作り物に至るまでぼかしが入っていました(スカパー!によるものと思われます)。
純粋にリストが好きな人が観たら怒り心頭に成ってしまうかもしれませんが、ウェイクマンによる音楽も結構いけてる、音楽コメディ映画の傑作です。もちろん、お子様に見せてはいけませんよ(笑)