今更僕が紹介するまでも無いのでしょうが、マイケル・ジャクソンの1枚目としては、これを紹介しないわけにはいかないでしょう。
米国の歌手マイケル・ジャクソンのアルバム「スリラー/マイケル・ジャクソン」を紹介します。
世界で一番売れているアルバムという事で、知らないという人の方が少ない(居ない?)と思います。しかし、所有しているという人はまだまだ少ないと思います。各家庭に1枚は置いておくべきアルバムです(ちなみに我が家にはCDでも3枚あります)。
何故そんなに売れているのか、それは間違いなく素晴らしい作品だからです。何が素晴らしいって、まるで映画のような素晴らしさです。
このアルバムに限らず、以降のマイケル・ジャクソンのアルバム総てに言える事ですが、完成に費やされた労力、関わった人の数が映画並なのです。演奏しているミュージシャンだけでも、1曲につき20人程参加しています。
まぁオーケストラだとそれ以上の人数になるのですが、大きな違いは参加ミュージシャンがそれぞれ知恵を出し合って作品を完成させている点です。
オーケストラは人数は多くとも、演奏する曲を書いているのは通常一人です。しかしここでは、ミュージシャン一人一人が作曲に参加しているといっても過言では無いのです。大きな流れはマイケル・ジャクソンとクインシー・ジョーンズが統率しているのでしょうが、色んな音が色んな動きをしていて、とても深みのある色彩豊かな音楽が完成しているのです。
何度聴いても新たな発見がある程です。僕も色んな音楽を聴きましたが、マイケル・ジャクソンとクインシー・ジョーンズによる音楽以上に豪華な音楽を聴いた事がありません。人件費も相当かかっていると思われます、これが売れなかったら大変な事態になっていた事でしょう。
もちろん曲が魅力的です。マイケル・ジャクソン自身が書いた「今夜はビート・イット(何故に“今夜は”なのか・・・歌詞に一切夜に関する言葉は登場せず・・・当時の邦題の流行ですかね?)」「ビリー・ジーン」等はシンプルで誰が聞いても直ぐに憶えられるキャッチーなものです。
またポール・マッカートニーとデュエットする「ガール・イズ・マイン」は、マイケル・ジャクソンが単独で書いた曲ですが、まるでポール・マッカートニーが書いたかのような出来で、作曲家としての非凡な才能を思い知らされます。
ロッド・テンパートンの作曲は極上で、タイトル曲「スリラー」はもちろんのこと、このアルバムでは貴重な存在であるシングル・カットされなかった曲の1曲「レディ・イン・マイ・ライフ」は彼の代表曲と呼びたい名曲です。これはマイケル・ジャクソンに提供せずに、ジョージ・ベンソンなんかに提供すればシングルに成って大ヒットしたと思うのですが。
あと忘れてはいけないのが、TOTOのスティーヴ・ポーカロによる「ヒューマン・ネイチャー」あまりに美しいこの曲、よく自分たちの曲として出さずに提供したものだと感心します。自分たちで出していれば、間違いなくTOTOの代表曲になったでしょうに。
しかし、どんなに大勢の才能が集まり、良い曲が揃っても、肝心なのは歌手です。そうです、このマイケル・ジャクソンの歌声が最高に素晴らしいのです。この歌声があるから売れ続けているわけです。
かのカストラートもここまででは無かったであろうという奇跡の歌声、というしかない余りに美しい声の持ち主ですが、声の良さだけでなく歌唱力が群を抜いているのです。
自身の作曲による1曲目「スタート・サムシング」の歌唱などは驚異的でしょう。音程のコントロールはもちろんのこと、そのリズミックなこと!高く繊細な声でありながら、疾走感と重みのあるリズムを見事に歌い上げているのです。
また殆どの曲でバックコーラスも自ら歌っていますが、その正確さは機械が歌っているのではないかと疑うほどです。
何故かマイケル・ジャクソンの歌唱が語られる事が少ないのですが、彼は間違いなく世界最高の、音楽史上最高の歌唱力を持っています。
けなす所など全く無い、完全無欠のこのアルバム、人類の歴史が続く限り売り上げ世界一の座を譲ることは無いでしょう。
ただ一つ残念な事は、オリジナル収録曲だけを収録したCDが現在販売されていない事です。初めて聴く人などには、余計なボーナス・トラックは聴かずにオリジナル収録曲だけを聴いてアルバムとして楽しんでもらいたいと思います。
特に25周年記念盤、あれはいけません。あまりネガティブな事に記事を割きたく無いのですが、あれに入っている新録のボーナス・トラックの出来ときたら・・・
このアルバムを持っていないアナタ、今からそっと購入して聴いて下さい。持っていないのは、とっても恥ずかしい事なんですよ(笑)そして聴けばきっと間違いなく後悔するはずです、何故今まで聴かなかったのかと。
ふ~、やっと書き終わりましたよ。実はこの記事、数ヶ月前から書きかけの状態のままだったのです(思い入れが強すぎるのか、文章がまとまらず・・・)。これで筆が止まっていたせいで、音楽ブログとしておきながら音楽ネタが停滞していたのです。これからはジャンジャン音楽ネタが登場する予定です(必要とされなくても)。